癌抑制遺伝子drsによるオートファジー誘導機構の解明
Project/Area Number |
18790270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
旦部 幸博 Shiga University of Medical Science, 医学部, 助教 (50283560)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | Drs遺伝子 / オートファジー / Rab24 / 癌制御遺伝子 / ストレス応答 |
Research Abstract |
drs癌抑制遺伝子によるオートファジー制御の分子機構を解明するため、研究実施計画に従って研究を行い、以下の成果を得た。 1.GFP-LC3 TgマウスとDrsノックアウトマウスのF1マウスを作製し、オートファジー機能解析を行った。共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析から、Drsが低血清ストレス条件下で誘導されるオートファジーにおいて、後期の成熟化過程の調整に関与することを細胞レベルで明らかにした。またこの過程でDrsの細胞内局在が変化し、LC3やRab24などのオートファジー関連分子と共局在することを見出した。オートファジーと癌抑制遺伝子の関連については近年報告が相次いでいるが、いずれもオートファジー初期の制御についてのみ着目したものであり、オートファジー後期の成熟化の過程を癌抑制遺伝子が制御していることを初めて明らかにしたことが、本研究の意義の一つである。このことは発癌のメカニズムやオートファジーの生理的意義を明らかにする上でも有意義かつ重要な知見である。 2.長期間の低血清ストレス処理はマウス胎児線維芽細胞においてオートファジー性細胞死を誘導する。Drs欠損細胞は、野生型のものと比較して、この細胞死に対して抵抗性を示した。アポトーシス阻害条件下でも同様の結果であった。我々はこれまでにDrsがアポトーシス制御分子として細胞死の調節に関わることを報告したが、Drsがオートファジーによる細胞死にも関与することを本研究で新たに見出した。 3.Drs欠損細胞ではv-srcなどのウイルス癌遺伝子に対する感受性や水泡性口炎ウイルスの感染に対する感受性が亢進しており、Drsが腫瘍抑制や感染防御などに関与していることが示唆された。アミノ酸飢餓やグルコース飢餓などの生理的ストレスによって誘導される細胞死の制御にもDrsが関与していることを見いだした。Drsが多様なストレスに対して細胞の生死をコントロールし、生体の恒常性維持に関わる重要な遺伝子であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)