レトロウイルス挿入変異を用いた大腸上皮の発がん機構の解明
Project/Area Number |
18790287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
田中 美和 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所・発がん研究部, 研究員 (70345883)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 大腸がん / レトロウイルス挿入変異 / Apc / 協調遺伝子 / Dnah3 / 発がん機構 / APC遺伝子 |
Research Abstract |
大腸がんの発生はAPC遺伝子の変異が深く関与しているが、この他に様々な遺伝子変異の蓄積が必要である。本研究は、マウスの造血系発がんの研究で用いられている「レトロウイルス挿入変異システム」を大腸上皮細胞に応用して、APC遺伝子の変異以降の過程に関与する分子機構を明らかにする事である。マウスの大腸上皮YAMC細胞(Apc+/+)とMinマウス白来のIMCE細胞(Apc^<min>/+)にレトロウイルスを導入し、大腸発がんに関連する新たな遺伝子の同定を試みた。両細胞共、軟寒天培地中では増殖出来ないがレトロウイルスを導入するとIMCE細胞でのみ足場非依存的な増殖を示すコロニーが形成された。形質転換した101個のクローンから154箇所のレトロウイルス挿入部位を単離後、ウイルスの共通挿入部位4箇所より、Apcヘテロ変異の協調遺伝子の候補としてDnah3(Dynein axonemal heavy chain 3), Ahnak (Ahnak/desmoyokin nucleoprotein),Stk17b (Serine/threonine kinase 17b),Rbm9 (RNA-binding motif protein9)を同定した。Dnah3とAhnakの発現レベルはそれぞれ上昇し、Dnah3はウイルスの挿入によりキメラを形成していた。さらにDnah3をIMCE細胞に過剰発現すると、微小管の再構成の機能が減少した。以上の結果から、Apcの異常と細胞骨格のネットワークに障害を及ぼすDnah3やAhnakの異常は、大腸発がんの初期の変化で重要であると考えられた。また「レトロウイルス挿入変異システム」が上皮系の発がん研究にも応用可能であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)