Notchリガンド誘導性Thy1陽性樹状細胞による原虫感染制御
Project/Area Number |
18790294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Parasitology (including Sanitary zoology)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
前川 洋一 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10294670)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | Notch / 樹状細胞 / Trypanosoma cruzi / Notchシグナル / Th17 |
Research Abstract |
本研究では細胞内寄生性原虫感染症の克服を目指し有効な免疫応答の誘導機構開発の基礎となる研究を行うことを目的としている。平成19年度もこの目的の達成に則した研究を行った。免疫応答の誘導・制御に重要な抗原提示細胞である樹状細胞(DC)には形態的、機能的に異なる亜細胞群が同定されているが、このような亜細胞の細胞系譜決定や分化の様式には明らかにされていないことも多く残されている。また、生体内ではDCはその細胞数が非常に少ないことから新たな亜集団を見出しその機能を明らかにすることも容易ではない。研究者らは細胞系譜決定因子であるNotchシグナルの免疫系での役割について研究を遂行してきた。その中で、DCの成熟や分化などDCの多様性獲得におけるNotchシグナルの関与を検討してきた。その結果、試験管内DC誘導系においてNotchシグナルの添加により本来はTリンパ球マーカーであるThy1を発現する新規のDC(Thy1-DC)が誘導されることを見出してきた。強い細胞傷害性Tリンパ球誘導能を有するThy1-DCは、マウス生体内でも存在比率は少ないものの存在していた。さらに、生体内Thy1-DCはTrypanosoma cruzi(T.cruzi)の感染に伴い脾臓、リンパ節、肝臓で増加することが確認されている。T.cruzi感染マウスからThy1-DCおよび通常のDCを分離しサイトカイン産生を検討したところ、Thy1-DCからinterferonγ(IFN-γ)の産生が観察された。このことから、Thy1-DCが感染防御に重要な細胞集団であることが想定された。Thy1-DCの生体内での役割をさらに解析するためには、同細胞を生体内から除去しその影響を観察する必要がある。しかし、従来行われてきた抗体による細胞の除去はThy1-DCの場合には用いることができない。それは、Thyl-DCがCDllcとThy1.2という2つの細胞表面分子を同時に発現する細胞として同定されているからである。そこで、私たちはこの2つの分子を同時に発現する細胞だけにアポトーシスを誘導し生体内から除去できるマウスの樹立を目指した研究を開始した。現在、試験管内にて2種類の分子を発現する細胞のみに選択的にアポトーシスを誘導できるシステムを検討中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)