リステリア特異的防御免疫の誘導における細胞内・外パターン認識機構の関与
Project/Area Number |
18790306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 卓正 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (40362529)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | リステリア / リステリオリシンO / マクロファージ / 感染防御免疫 / サイトカイン / 異物認識 |
Research Abstract |
リステリア(Listeria monocytogenes)感染宿主に成立する特異的獲得免疫防御の誘導には、本菌の菌体成分リガンドと、主要病原因子で膜傷害タンパクであるリステリオリシン0(LL0)がともに自然免疫を活性化する過程が重要である。リステリアの野生株生菌及びその死菌体とLL0欠損変異株生菌をそれぞれマクロファージに感染させ、各種サイトカインの発現産生パターンを比較検討した結果、死菌でも誘導されTLR2依存性の高い炎症性サイトカインと、生菌刺激が必要なIL-12など、さらにLL0(産生能が必須のIL-1α、βやIL-18などに分類できた。感染マクロファージには、菌体成分リガンドを細胞外で認識する機構と、食胞から脱出した菌を細胞質内で認識する機構とが別個に作用し、その結果、LL0産生性野生株感染でみられる強いTH1型獲得免疫の成立が誘導されると考えられた。次に、大学院生との共同でLL0欠損変異株に異なった変異LL0遺伝子を相補した変異株を作製し感染させた結果、LL0のN末端ドメインが細胞質の何らかの異物リガンド識別分子に作用し、caspase-1やcalpainなどを活性化する可能性が強く示唆された。この成果は一部米国Infection and Immunity誌に公表し、一部は投稿準備中である。さらに、LL0および類似ファミリータンパクのリコンビナント標品を多数作製し、その膜傷害活性を比較検討した。LL0の膜傷害活性は極めてpH依存的に発現され、そこにはLL0ファミリータンパクのドメイン4にみられるpH依存的な構造安定性が深く関与することを明らかにすることができた。この成果は、英国Microbiology誌に出版公表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)