肺結核に対する防御免疫誘導におけるInterleukin-17の役割の解明
Project/Area Number |
18790312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
梅村 正幸 University of the Ryukyus, 遺伝子実験センター, 助教 (90359985)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 感染症 / 結核 / 肺 / サイトカイン / Interleukin-17 / 自然免疫 / 獲得免疫 / 肉芽腫形成 / 細菌 / 細胞・組織 / 微生物 / 免疫学 |
Research Abstract |
感染症に対するIL-17の関与に関しては、肺におけるKlebsiella感染において早期の生体防御を担っていることが報告されている。一方、関節リウマチや気管支喘息などの慢性炎症疾患に対してIL-17が増悪化因子であることも報告されており、このことは、発現の時間的および空間的な相違によりIL-17の生体内での役割が大きく異なることを示唆するものである。しかし、IL-17による免疫応答誘導制御メカニズムは未だ不明であり、また、IL-17の感染症に対する生体防御の意義も不明瞭な点が多い。特に、結核菌を含む細胞内寄生性細菌の感染症におけるIL-17の関与はほとんど解折されていない。そこで今回、Mycobacterium bovis Bacillus Calmette-Guerin(BCG)感染モデルを用いて、細胞内寄生性細菌感染に対する感染防御おけるIL-17の役割の検討を行った。方法としては、M. bovis BCGをC57BL/6マウスに経気道感染させ、経時的に肺組織のIL-17ならびにIL-17誘導に関与するサイトカインの発現をRT-PCR法にて検討した。さらにIL-17産生細胞を同定するため、BCG感染させたマウス脾細胞の各細胞分画のIL-17発現をRT-PCR法および細胞内サイトカイン染色法で調べた。また、IL-17産生誘導へのIL-23の関与を検討するために、IL-12/23p40欠損マウスにBCGを経気道感染させ、肺組織のIL-17発現を調べた。IL-17の感染防御への関与は、IL-17欠損マウスにおけるBCG感染後のIFN-γ産生能および肺組織の病変形成を指標として検討した。BCG経気道感染後の肺では、IL-17の発現が1日目より検出され、3〜5日目に最も強く認められた。IL-23p19も感染1日目で一過性に強く発現され、またBCG感染後のIL-17発現が、IL-12/23p40欠損マウスで顕著に抑制されたことから、BCG感染においてIL-23がIL-17産生を誘導する上流因子であることが明らかになった。一方、CD4^-CD8^-の表面形質を示す細胞分画で強いIL-17の発現が認められ、それはTCR Cδ欠損マウスで顕著に低減したことから、感染早期のIL-17産生T細胞は主にγδ型T細胞であることが示唆された。さらに、BCG感染IL-17欠損マウスにおいて肺浸潤T細胞のマイコバクテリア抗原特異的IFN-γ産生能が対照群に比べ低いこと、遅延型過敏反応も低下していること、肺病変部へのリンパ球浸潤が弱いことなどから、IL-17が感染防御獲得免疫の誘導に強く関与していることが示唆された。未だ、結核菌を含む細胞内寄生性細菌の感染症におけるIL-17の関与する詳細な生体防御メカニズムは明瞭になっていないが、これまでの情報を熟考すると、IL-17が早期の炎症反応誘導のみならず、獲得免疫誘導の増強に重要な役割を担っていると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)
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[Journal Article] IL-17-Mediated Regulation of Innate and Acquired Immune Response against Pulmonary Mycobacterium bovis Bacille Calmette-Guerin Infection.2007
Author(s)
Umemura, M., Yahagi, A., Hamada, S., Begum, M.D., Watanabe, W., Kawakami, K., Suda, S., Sudo, K., Nakae, S., Iwakura, Y., Matsuzaki, G.
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Journal Title
The Journal of Immunology 178・6
Pages: 3786-3796
Related Report
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[Journal Article] Suppression of the bacterial antigen-specific T cell response and the dendritic cell migration to the lymph nodes by osteopontin.2007
Author(s)
Begum, M.D., Umemura.M., Kon, S., Yahagi, A., Hamada, S., Oshiro, K., Gotoh, K., Nishizono, A., Uede, T., Matsuzaki, G.
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Journal Title
Microbiology and Immunology 51・1
Pages: 135-147
NAID
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