レトロウイルスのインテグレーションに関与する宿主因子の解析
Project/Area Number |
18790326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
有海 康雄 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60303913)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | レトロウイルス / インテグレーション / RNAウイルス / C型肝炎ウイルス / DDX3RNAヘリカーゼ / HIV-1 / 宿主因子 / クロマチン / ゲノム / Tat / INI1 / 転写制御 |
Research Abstract |
これまでヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)のインテクレーションに必要なインテクラーゼに,結合する宿主因子INIIは、HIV-1の感染初期過程には影響及ぼさないものの、HIV-1Tatに結合し、HIV-1の転写制御を増強することを見いだしてきた(Ariumi, et.al.Retrovirology3:47,2006)。また、HIV-1のインテグレーションに関与が示唆されているATMが新たにHIV-1 mRNAの核外輸送に関与しているHIV-1Revの活性を制御していることも明らかにしてきた(Ariumi and Trono,J.Viro1.80: 2445-2452,2006)。最近、DDX3 DEAD-box RNAヘリカーゼがRevの機能制御に重要な宿主因子であるという報告がなされた。そこで、今年度は同じRNAウイルスであり、HIV-1同様、ヒトに持続感染するC型肝炎ウイルス(HCV)め複製に対してもAT域やDDX3が関与するのか検討してみた。その結果、DNA damage sensorであるATMがHCV RNA複製に必要な宿王因子であることを見いだした。またATMキナーゼ阻害剤を作用させるとHCVのRNA複製が抑制された。(Ariumi, et. al. 論文投稿中)。一方、DDX3をshRNAを発現するレトロウイルスベクターを用いてノックダウンさせるとHC VRNA複製とJFH1株を用いたHCV感染が顕著に抑制された。さらにHCV CoreとDDX3が相互作用することを免疫沈降実験や共焦点レーザー顕微鏡を用いた細胞内局在の観察により確認し(Ariumi, et. Al.J.Viro1.81:13922-13926,2007)。これらの結果より、HIV-1とHCVの両者の複製に必要な宿主因子であるATMとDDX3に対する阻害剤は、AIDSとC型肝炎の両方の慢性持続ウイルス感染症に対する有効な抗ウイルス剤として期待された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)