Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
(in vitro条件での抗腫瘍活性の検討)アンジオテンシン変換酵素阻害薬(temocapril)およびアンジオテンシン受容体拮抗薬(olmesaratan)をプレート上で培養したヒト舌癌細胞(HSC-4)に添加し、WST-1 assayを用いて抗腫瘍活性を調べた。その結果、temocaprilおよびolmesaratanは、臨床的に得られる血中濃度域内では直接的な抗腫瘍活性がないことが明らかになった。(口腔癌モデルの確立)口腔癌の確立された動物モデルがないため、まずヒトの口腔癌(HSC-4)をマウスの背部に移植してモデル作成を試みたが、癌生着率が必ずしも高くなく、癌が成長するまでに長期間かかることが明らかになった。そこで、改めてマウスの口腔内に発癌物質(DMBA)を塗布して癌モデルを作成することとした。(locomotive activityの検討)動物行動計を用いて運動量を計測し、飼育条件下での光に対する馴化に要する時間を調べた。マウスの行動は約1週間ほどで、異なった照明スケジュールにリセットされることを確認した。マウスに癌細胞を移植する際の照明スケジュールの基礎データとした。(時間治療の有用性の検討)脳卒中易発症高血圧ラットを対象としてアンジオテンシン受容体拮抗薬を投与し、その生存期間を調べた。temocaprilと同様に、valsartanを非活動期に投与した方が脳卒中予防効果は強力であることが明らかになった。その一方、除去半減期の長いolmesaratanは24時間に渡って強力な降圧作用を発揮し、投与時間に左右されない脳卒中軽減効果を認めた。第2回International Congress of Applied Chronobiology and Chronomedicineで発表した。