Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
卵巣癌は近年増加しているが,リスクファクターとなる生活習慣や環境要因が特定されず,早期発見も難しいため悪性化しやすい癌として知られる。代表者らは卵巣癌で高発現しているLTBP-1L(Latent TGF-β Binding Protein-1L)に着目して解析を進めてきた(Higashi T, et. al.2001)。昨年度までに,LTBP-1L遺伝子のプロモーター配列上に新規の一塩基多型(SNP)を発見し,遺伝子型が転写因子Sp1との結合力に影響し,LTBP-1L蛋白の発現量に有意な差が生じること,さらに特定のSNPの存在が癌症例の術後生存率の低下と相関することを明らかにした(Higashi T, et. al.2006)。本年度は癌細胞で発現したLTBP-1L蛋白の役割と作用機序を明らかにするために, まず卵巣癌培養細胞株JHOM-1において, RNA干渉によるLTBP-1Lの発現抑制を試みた。LTBP-1LのsiRNAを3種類設計し,種々の導入条件をリポフェクション法により検討した結果,LTBP-1L mRNA発現を90%抑制する条件を見い出した。そしてWST-1を用いたアッセイにより,LTBP-1L遺伝子の発現を抑制すると,細胞増殖と生存能が減少することがわかった。したがって,癌細胞で高発現しているLTBP-1Lは,細胞増殖能の活性化を通じて,癌の悪性化に寄与している可能性が示唆された。そこで次にLTBP-1L cDNAの全長を含む4287bpをpIRESneo3ベクター(clontech)に組み込み,細胞でLTBP-1Lを強制発現させるための発現ベクターを構築した。今後この発現ベクターを用いた強制発現実験とRNAi干渉による発現抑制実験により,LTBP-1L機能解析を進めていく必要がある。
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