熱中症の法医学的診断法の開発およびその病態生理に関する研究
Project/Area Number |
18790421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井上 裕匡 Mie University, 大学院・医学系研究科, 講師 (50363338)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 熱中症 / 肺脂肪塞栓 / 法医診断 / 高体温 / 法医解剖 / 剖検診断 / Heat shock ptotein |
Research Abstract |
熱中症診断の有効な所見として肺脂肪塞栓の有無が利用できるか否かを昨年度より解剖症例数を増やし検討した結果、肺脂肪塞栓は熱中症の陽性所見よりはむしろ生前の高温暴露を示唆する所見として有用である可能性が示された(現在投稿中)。これまでは熱中症診断は除外診断として行われてきたが、今回の結果より肺脂肪塞栓はこれまで死後の高体温でしか証明なしえなかった生前の高温暴露を示唆する所見として利用可能であり、熱中症診断の上で非常に有用な所見であると考える。一方、これまで肺脂肪塞栓の原因として指摘されていなかった病態においても肺脂肪塞栓が見られており、このことは肺脂肪塞栓が高温暴露以外にも死者の生前の状態を示唆する所見として利用できる可能性を示している。しかし、これらで見られた肺脂肪塞栓は致死的なものではなくいずれにおいても直接死因が肺脂肪塞栓であることは否定的である。 肺脂肪塞栓が直接死因となるには実験的には60ml程度の脂肪の流入が必要であり、骨盤骨折など広範囲の骨折を生じるものではそれによって生じた肺脂肪塞栓症が直接死因の可能性もあることを示した。しかし、法医解剖事例では実際は20ml程度でも死亡しうるといわれており、この実験的肺脂肪塞栓との差は肺脂肪塞栓を生じる原因となった損傷や疾病によって引き起こされる炎症反応などの生体反応の状態に影響を受けていると仮説を立て、現在検証中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)