Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
【研究目的】 近年法医学分野においてオートプシーイメージング(Autopsy imaging, Ai)と呼ばれる画像診断が注目されているが,その多くはCTやMRIといった高価かつ大型の医療機器を用いたものであり,どこの施設でも簡単に導入できるものではない。また,医療機関に設置された診療用の検査機器で法医解剖前の死体を検査することは未だ社会的コンセンサスが得られていない。そこで,我々は安価かつ小型であるポータブルX線装置を法医解剖室に設置し,その有用性を確かめた。 【対象と方法】 2006年10月にX線装置および自動現像機を設置した。法医解剖例全例(115例)の全身の各部位の撮影を行い,ただちに現像した。現像後のフィルムは,デジタル化しデジタルデータとして利用可能な状態とした。 【結果】 以下のことが明らかとなった。 1.身元不明者の解剖前の頭部X線写真を該当人物の生前の歯科X線写真と比較することによって,身元が判明することがある。 2.高度焼損死体や白骨死体で,フィルム上の骨の形態から性別が判定可能となる。 3.高度焼損死体や白骨死体で,フィルム上の骨の長さを計測することにより身長推定が可能となることがある。 4.手術材料など体内異物の存在が明らかになり,個人識別の一助となったり,新たに既往歴が判明したりすることがある。 5.解剖前にあらかじめ死因となりうる疾患や骨折を推測できることがある。 本研究により,法医学分野におけるX線写真撮影が個人識別に非常に有用性が高いことがあらためて確認されるとともに,法医解剖の主たる目的である死因究明にも有用であることが明らかとなった。
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