胎児期の長期アルコール曝露が次世代の社会的機能障害に及ぼす影響
Project/Area Number |
18790423
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
嶋本 晶子 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (10379943)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アルコールの胎内曝露 / 神経活性ステロイド / テストステロン / aromatase / 5α-reductase I / 液体食法 / 胎児性アルコール効果 / 神経性ステロイド / HPLC |
Research Abstract |
【緒言】胎児期の長期アルコール曝露(Fetal Alcohol Exposure:FAE)が、社会的機能を損なう恐れのある攻撃性にどのような影響を与えるかについての報告はほとんどない。 【目的】前年度の結果より、離乳仔における脳内テストステロン(T)レベルはFAEにより大きく影響を受けることが認められたことから、今年度はその合成・代謝に関わる酵素(aromatase及び5α-reductase I)のmRNAレベルがFAEにより影響を受けるかどうか検討した。 【平成19年度中に得られた結果】 1.離乳仔におけるaromataseのmRNAレベルはメスにおいて、FAEにより有意に高い値を示した。aromataseはTからエストロゲンを合成する酵素であり、エストロゲンの神経保護効果作用を仲介し、その際活性化されるaromataseはメスで高い値を示すと報告されている。アルコールは発達過程の神経系に変性をもたらす物質であることから、本研究におけるメスでのmRNAレベルは、子宮内でのアルコール曝露により損傷した神経系を修復するために高い値を示したと考えられる。 2.5α-reductase IのmRNAレベルは雌雄ともにFAE群で有意に高い値を示した。妊娠中のストレスはこれを増加させることが知られていて、アルコールが母獣にとってストレス下であった可能性が考えられた。また、これらの変化はアルコールを含まない液体食群でも認められている。この給餌はラットにとって空腹感の伴う給餌法であることは以前より指摘されていて、次世代のストレスに対する感受性はアルコール曝露群よりも高くなるといった結果も示されている。また、次世代のaromatase活性は、母獣へのストレス負荷により大きく変動する。本研究における液体食給餌法がラットにとってどの程度のストレスであるかは明らかではないが、2つの酵素のmRNAレベルが増加した可能性の一つとして、ストレスによる影響も考慮する必要があると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)