漢方薬・西洋薬間相互作用の消化管細胞培養システムを用いたスクリーニング法
Project/Area Number |
18790438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General internal medicine (including Psychosomatic medicine)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
牧野 利明 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80326561)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 漢方薬 / 生薬 / トランスポーター / Caco-2細胞 |
Research Abstract |
現代医療においては生活習慣病などの慢性疾患への対応や,医療費削減のための予防医学の重要性が認識されてきており,西洋薬と漢方薬が併用される機会はますます多くなってきている。しかし,漢方薬と同じ天然由来成分であるグレープフルーツジュースとカルシウム拮抗薬間の薬物相互作用が広く知られるようになり,漢方薬と西洋薬の併用に伴う薬物相互作用も懸念されている。 近年,培養ヒト結腸上皮細胞(Caco-2細胞)を用いて,経口投与された薬物の消化管からの吸収および消化管における代謝や,薬物相互作用を予測する研究が盛んに行われている。そこで,本実験系を利用して,漢方薬がCaco-2細胞が発現する薬物吸収に関わるトランスポーターの発現に与える影響についての検討を試みた。 実験では,Caco-2細胞に対して主に消化器系をターゲットとして使用される漢方薬エキスを投与し,代表的な薬物トランスポーターであるPEPT1およびそれと関連するアミノ酸トランスポーターであるASCT2の機能およびmRNA発現に与える影響について検討した。その結果,代表的な漢方薬については,それらの機能および発現に与える影響は無いことが明らかとなった。さらに検索対象を一般用漢方製剤に使用される生薬100種に拡大して検索したところ,PEPT1に対しては影響を示した生薬はみられなかったものの,ASCT2については呉茱萸がその機能およびmRNA発現に影響を与えることを見いだした。さらにその活性成分を探索し,compound 1を単離同定した。 PEPT1はセフェム系抗生物質など多くの薬物を輸送することが知られており,その機能に影響を与える漢方薬,生薬が無かったことは,それらが薬物相互作用を引き起こす心配がないことを示した点で有用な医薬品情報といえる。また,ASCT2についてはそれが薬物を輸送する可能性については未知であり,さらなる検討が求められる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)