バージャー病の虚血肢に認められる血管新生障害の基調となるメカニズム
Project/Area Number |
18790517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐々木 健一郎 Kurume University, 医学部, 助教 (70320190)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | バージャー病 / 血管内皮前駆細胞 / 血管新生 |
Research Abstract |
当初の予定通り、バージャー病患者における末梢血単核球細胞由来血管内皮前駆細胞(EPC)の血管新生能力をin vitro実験法を用い、対照健常人12名(年齢44.3±3.3歳)、バージャー病患者12名(年齢44.3±3.2歳)の2群において評価した。 (1)骨髄からの動員能:フローサイトメトリー法により単核球細胞中のKDR^+/CD34^+およびKDR^+/CD133^+(末梢血中のEPCマーカー)陽性細胞数は2群間に有意差を認めなかった。 (2)接着能:単核球細胞から内皮細胞培養条件下に得られたEPCにおけるコラーゲンコーティングメンブレンへの接着能力に有意差は認められなかった。 (3)遊走能および浸潤能:EPCのVEGF(vascular endothelial growth factor)への遊走能、およびコラーゲンコーティングメンブレンを介した浸潤能に有意差は認められなかった。 (4)分化能:末梢血単核球細胞からEPGへの分化率を算出したところ、バージャー病患者から採取された単核球細胞において、EPCへの分化能力が有意に低下していた(P<0.005)。 (5)分泌能:EPC培養液中の血管新生作動関連タンパク(VEGF、b-FGF、PDGF-BB、IGF-1、Angiopoietin 1および2、SDF-1α)濃度をELISA法で評価したが、有意差は認められなかった。 各検討対象者数12名での検討において、単核球細胞からEPCへの分化能力に有意差を認めたが、その他の接着能・遊走能・浸潤能・分泌能には有意差を認めなかった。当初の予定では、これまでのin vitro実験結果を引き続きin vivo実験で確認する予定であったが、予想以上にバージャー病患者からの末梢血検体採取に難渋しており、予定期間内でのin vivo実験完了に至らなかった。しかしながら、バージャー病患者では血中の高感度CRPおよびインターロイキン6濃度が有意に上昇していることが観察され、これらの要素がEPCの分化を低下させている可能性が示唆された。分化障害のメカニズムをさらに詳細に解明する重要なヒントであり、バージャー病患者に対する血管新生療法の進歩的開発に貢献する結果と考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)