Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
喫煙関連肺疾患が高齢者に多いことは加齢もしくは長期喫煙により肺の防御機構が傷害されていることを示唆する。長期喫煙、COPDの有無で気道被覆液におけるVascular Endothelial Growth Factor(VEGF)関連遺伝子の発現に差異が認められるかを検討した。目的:気道上皮におけるVEGFとそのレセプター発現を年齢・喫煙歴・COPDで分類した5群で比較検討する。方法:若年者15名(非喫煙者7名、喫煙者8名)(23±3SD yr)、および中高年者26名(非喫煙者6名、喫煙者5名、COPD患者15名)(64±6SD yr)を対象に、気管分岐部及び4〜5次分岐(末梢側)から気道上皮細胞を擦過採取した。VEGF、VEGF receptor-1、VEGF receptor-2のmRNA発現をRT-PCR法で定量し、細胞溶解液のVEGF蛋白量をELISA法で測定した。結果:末梢側気道上皮細胞では若年非喫煙者と比較し中高年者は3群ともVEGFmRNA発現量が有意に低下していた(p<0.05)が、若年喫煙者では優位差を認めなかった。中高年者3群のみの検討では中高年非喫煙者及び喫煙者と比較しCOPD群は気道上皮のVEGFmRNA発現量が有意に低く(p<0.05)、VEGF蛋白量が低い傾向がみられた。VEGFreceptor-1の気道上皮での発現は非常に低く、それぞれの群での優位差を認めなかった。 VEGF receptor-2の発現は若年で高い傾向があったが中高年群と優位差を認めなかった。気管分岐部の気道上皮細胞ではこれらの項目はすべての群で差を認めなかった。結論:気道上皮におけるVEGFの発現は加齢で減少し、COPD群ではさらに低下していた。この低下は同じ気道上皮細胞であっても気管分岐部という中枢側では認めず、より末梢の気管支において明らかであった。
All 2008 2007 2006
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
Antioxidants and Redox Signaling 10
Pages: 705-714
Thorax 61(6)
Pages: 496-502