遺伝性運動失調マウスを用いたCa-ATPase遺伝子の神経特異的発現機構の解析
Project/Area Number |
18790592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
孫 暁陽 Nagoya University, 大学院・医学研究科, COE研究員 (70378016)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | joggleマウス / plasma membrane calcium ATPase / レトロトランスポゾン / 疾患モデル / クローニング / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
joggleマウスは、第6番染色体に位置するplasma membrane calcium ATPase (PMCA)2遺伝子の発現が野性型個体の5%程度に低下しているために、遺伝性の運動失調を呈する。これまでに、PMCA2遺伝子の翻訳開始コドンを含むエキソンの15塩基下流にIAP (intracisternal A particle)レトロポゾンが挿入されていることを明らかにした。さらに、PMCA2遺伝子の部分的配列とIAPレトロトランスポゾン配列が融合した結果、PMCA2の膜貫通領域の全てを欠失した異常タンパクをコードするメッセンジャーRNAが転写されることや、一次転写産物の一部がスプライシングを制御する配列を含むために、nonsense mediated mRNA decay (NMD)により分解される事を明らかとしてきた。joggleマウスの表現型はPMCA2遺伝子の「ノックダウン」によって生じたもので、PMCA2遺伝子異常がもたらす障害を考える上で病理学的にきわめて有用なモデルであると考えられた。そこで、運動失調よりも定量的な評価が可能である聴力を聴性脳幹反応により解析した。その結果、ホモ接合体(joggleマウス)が重篤な難聴を示すのに対して、ヘテロ接合体はほぼ正常な聴力を保っていることが明らかとなった。PMCA2遺伝子においてアミノ酸置換変異を持つjoggleマウスとは別のPMCA2遺伝子異常マウスやPMCA2ノックアウトマウスのヘテロ接合体が明らかな聴力異常を示すことから、わずかなPMCA2の発現量の違いが、聴覚機能に大きな影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)