アルツハイマー病におけるプレセニリン1とBACE1結合の病態解明
Project/Area Number |
18790595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
葛谷 聡 京大, 医学(系)研究科(研究院) (30422950)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 認知症 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の脳では、βアミロイドペプチド(Aβ)を主要成分とする老人斑が大脳皮質に広範に沈着することが知られている。Aβはアミロイド前駆体蛋白(APP)が、2種類の異なる蛋白切断酵素であるβ-セクレターゼ・γ-セクレターゼにより連続的に切断され産生される。近年、脳における主要なβ-セクレターゼとしてβ-site APP cleaving enzyme 1(BACE1)が同定され、γ-セクレターゼは家族性アルツハイマー病の原因遺伝子産物として知られるプレセニリン1(PS1)を主要構成成分とする高分子量複合体であることが明らかとなった。また以前よりPS1はγ-セクレターゼ機能に加え、特定の膜蛋白の細胞内輸送機能を有することが知られている。本研究ではPS1の輸送機能に着目し、PS1がBACE1の細胞内輸送および成熟化に及ぼす影響を検討した。 小胞体内の未成熟型BACE1はゴルジ体へ輸送され糖鎖修飾などを受けて成熟型となり、細胞内の後期コンパートメントへ輸送されていく。PS1欠損細胞やPS1ドミナント・ネガティブ変異体発現細胞では未成熟型BACE1量に比し、成熟型BACE1量が減少した。免疫沈降法ではPS1が小胞体に局在する未成熟型BACE1と共沈降し、蛍光免疫二重染色ではPS1とBACE1が主に核近傍で共局在した。これらの結果より、PS1が小胞体内で未成熟型BACE1と結合し、小胞体からゴルジ体への輸送を介してBACE1の成熟化を制御していることが明らかとなった。 以上の研究は、Aβ代謝バランスの破綻が病態の一因と考えられているアルツハイマー病の原因の解明に貢献し、その根本的治療・予防法の開発に寄与するところが多いと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)