遺伝子改変技術を用いての膵島内因性グレリンによるインスリン分泌抑制機構の解明
Project/Area Number |
18790623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
出崎 克也 Jichi Medical University, 医学部, 講師 (90337329)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 生理学 / 糖尿病 / インスリン分泌 / 遺伝子改変動物 / グレリン / インスリン |
Research Abstract |
1.マウスに高脂肪食を与え続けると、野生型マウスでは耐糖能異常を呈したのに対してグレリン遺伝子欠損マウス(Ghr-KO)ではグルコース刺激によるインスリン分泌が著しく亢進しており耐糖能の悪化は観察されなかった。 2.Ghr-KO膵島ではグルコース誘発インスリン分泌の著明な亢進が観察された。一方、膵島の数や大きさ、インスリンの蛋白量やmRNA発現量はGhr-KOで変化していなかった。 3.ラットに百日咳毒素(PTX)を投与するとインスリン分泌が亢進し、グレリンによるインスリン分泌抑制作用が消失した。また、Ghr-KOではPTXによるインスリン分泌亢進作用が観察されなかった。さらに、アンチセンス法を用いてβ細胞のGαi2発現を抑制するとグレリンによるインスリン分泌抑制作用が減弱した。 4.グレリンはグルコース刺激によって発生するβ細胞の活動電位を抑制し遅延整流性の電位依存性K+チャネル(Kvチャネル)を活性化した。一方、ATP依存性K+チャネルに対してグレリンは影響しなかった。 以上より、膵島内因性グレリンがインスリン分泌を生理的に抑制制御しており、グレリン機能を消失させると肥満を伴う耐糖能異常を改善することが示された。また、グレリン刺激によって活性化したGαi2がKvチャネルを活性化することによってグルコース刺激によるβ細胞の興奮性を抑制し、インスリン分泌を低下させるという機序が明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)