変異AMPキナーゼを用いた代謝症候群発症モデルマウスの作製と解析
Project/Area Number |
18790629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡本 士毅 National Institute for Physiological Sciences, 発達生理学研究系, 助教 (40342919)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 脳・神経 / ウィルス / メタボリックシンドローム / AMPキナーゼ |
Research Abstract |
視床下部は、動物個体のエネルギー代謝を自律的に調節しており、視床下部AMPキナーゼ(AMPK)が、レプチンやグルコースなどのシグナル分子として摂食行動を調節することが明らかとなった。本研究では、活性型AMPKをコードするレンチウィルスベクターをマウス視床下部に接種して活性型AMPKを持続的に発現させ、感染マウスの体重変動と摂食行動に及ぼす影響を調べた。視床下部室傍核(PVN)に活性型AMPKを発現させたマウスは過食となり、肥満した。また通常食に含まれるコーンスターチの代わりに蔗糖を多く含む食餌を与えても過食となったが、高脂肪食を与えると対照群は過食となるが、このマウスは過食とならなかった。そこでPVNのAMPKが食餌嗜好性を調節する可能性を考え、二種類の食餌を選択、摂食できるケージを考案し自由摂食させた。その結果、活性型AMPK発現群は高蔗糖食を多く摂食し、高脂肪食の摂食量が低下していた。視床下部におけるmRNA発現変動を調べると、活性型AMPK発現群のPVNにおいて選択的に脂肪酸酸化関連遺伝子群が上昇し、AMPKの下流分子であり脂肪酸酸化を調節するアセチルCoAカルボキシラーゼのリン酸化も亢進していた。さらにex vivoにおいてPVNにおける脂肪酸酸化も亢進していた。そこでミトコンドリアへの脂肪酸取り込みに関与する酵素CPT1のインヒビター、etomoxirをPVNに前投与すると、嗜好性は完全に逆転し高脂肪食を多く摂食した。さらにPVNでのAMPK活性が上昇する24時間の絶食後、メラノコルチン受容体アンタゴニストAGRP投与によっても高蔗糖食を多く摂食した。これらの反応もetomoxirをPVNに投与すると嗜好性が逆転した。反対に、PVNのAMPK活性を抑制するメラノコルチン受容体アゴニスト(MT-II)を投与すると絶食後の再摂食にも関わらず、高脂肪食を多く摂食した。以上の事から、PVNのAMPKは、脂肪酸酸化を介して炭水化物食、脂肪食の嗜好性を制御することが明らかとなった。またその調節にはメラノコルチン受容体が関与すると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)