細胞周期調節因子cdk6による造血前駆細胞の分化制御機構の解明
Project/Area Number |
18790659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤本 哲広 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (70359818)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 細胞周期 / 転写制御 / Cdk6 / 造血前駆細胞 / 分化 / Runx1 |
Research Abstract |
研究課題では、細胞周期制御因子CDK6の発現が造血幹細胞・前駆細胞分画に特異的である点に着目し、「CDK6が血液細胞の初期分化に関わる転写制御因子との相互作用を介して、前駆細胞分画における増殖・分化のバランスを制御している」という仮説を設定して、CDK6と相互作用する分子の同定と、同定された相互作用の造血系における機能の解析を行ってきた。 その結果、これまでに血液細胞の初期分化の制御に関わることが明らかにされている転写制御因子RUNX1を含む3つの転写制御因子をCDK6と相互作用しうる分子として同定した。CDK6-RUNX1相互作用に関する解析が最もすすんでおり、(1)CDK6がRUNX1のDNA結合領域と相互作用することでRUNX1のDNA結合を阻害する、(2)RUNX1は、DNA結合領域を介して顆粒球系細胞分化に必須の機能を有する転写制御因子C/EBPαと相互作用することが明らかになっているが、CDK6はこのRUNX1-C/EBPα相互作用も阻害する、(3)CDK6のRUNX1に対する阻害効果は、キナーゼ活性非依存性であり、Cyclin Dとの複合体形成を必ずしも必要とはしない、(4)CDK6-RUNX1相互作用は顆粒球系前駆細胞において実際に観察され、CDK6の強制発現により顆粒球系細胞の分化が阻害される、という新規の知見を得ることができた(EMBO J.26:2361-2370,2007)。また、本研究によって、CDK4/6と相互作用しうる転写制御因子を3分子同定しており、今後これらの分子とCDKの相互作用の解析を通じて細胞分化における増殖と分化のバランスを制御する分子基盤、ならびにその破綻による細胞癌化の分子機構について新たな知見が得られるのではないかと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)