Project/Area Number |
18790681
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水井 理之 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (30423106)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | Timファミリー分子 / Tim-4 / Tim-1 / 抗原提示細胞 / T細胞増殖 / 抗Tim- 4抗体 / 抗Tim-4抗体 |
Research Abstract |
Tim分子は、その多くがT細胞上に発現することがわかっている。そのなかで、Tim-4は例外的にT細胞には発現せず、樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞に発現している。申請者は抗原提示細胞に発現するTim-4の役割を中心に検討を行ってきた。 Tim-4は、成熟樹状細胞で発現が増強する。Tim-4のリガンドとしては、最近同じTimファミリー蛋白のTim-1が同定されているが、Tim-1は活性化T細胞にのみ発現し、ナイーブT細胞には発現しない。これに対し、可溶性Tim-4はナイーブT細胞にも結合することが確認された。すなわち抗原提示細胞がT細胞に作用する際に、Tim-4はTim-1以外のリガンドを介して抑制作用を発揮する可能性が示唆された。さらに、MHCclassII,B7.1を発現する線芽細胞株にTim-4を安定発現させた抗原提示細胞を作成し、OVA特異的TCR発現ナイーブT細胞を反応させたところ、T細胞増殖が著明に抑制されたのに対し、活性化T細胞には抑制効果が認められなくなることを見出した。このことから、Tim-4のナイーブT細胞と活性化T細胞に対する作用が異なることが示唆された。 次に、Tim-4のリガンド結合をブロックする抗Tim-4モノクローナル抗体を作成し、マウス接触性皮炎モデルおよび実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルを用いて抗Tim-4抗体投与の効果を検討したところ、初期のT細胞反応は増強されるのに対し、病変部位における炎症反応は著明に軽減されることがわかった。このことから、Tim-4はT細胞のプライミングを負に制御するが、エフェクターT細胞の病変部位における再活性化に対しては正の制御を行う、T細胞の活性化状態により異なる作用を示すユニークな分子である可能性が強く示唆された。Tim-4の抑制性・活性化リガンドとの結合をコントロールすることで免疫反応を調節できれば、Tim-4がアレルギー反応や自己免疫疾患の治療のターゲットとなりうると考えられる。
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