Project/Area Number |
18790816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
黒田 悦史 産業医大, 医学部, 助手 (10299604)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 免疫学 / 皮膚免疫学 / 遅延型過敏反応 / プロスタグランジン / PGE2 / mPGES-1 / 遺伝的素因 |
Research Abstract |
<目的> 化学物質により誘導される皮膚炎には様々な因子が関与していると考えられている.本研究では皮膚免疫を制御する重要な因子の一つであるプロスタグランジンE2(PGE_2)に注目し,プロスタグランジンE合成酵素欠損マウス(mPGES-1 KOマウス)を用い,化学物質による遅延型過敏反応あるいは化学物質を長期間塗布することによって生じるアレルギー性炎症の発症の解明と疾患発症におけるPGE_2の役割について解析した. <実験方法および結果> 化学物質としてDNFB(ジニトロフルオロベンゼン)を用いた。 1、DNFB塗布により誘発される遅延型過敏反応を検討したところ、mPGES-1 KOマウスではDNFB塗布による皮膚の腫脹(遅延型過敏反応)が若干低下していた。 2、DNFBの反復塗布によるアレルギー性炎症モデルを作成したところ、mPGES-1 KOマウスでは、IgE抗体および抗原特異的IgG抗体の産生低下、所属リンパ節中に集積するリンパ球数の低下、皮膚の腫脹の有意な低下が認められ、mPGES-1 KOマウスは、DNFBの反復塗布により引き起こされるアレルギー性炎症に抵抗性であることが示唆された。また、mPGES-1 KOマウスでは抗アレルギー性サイトカインであるIL-12の産生増強が認められた。 3、遺伝的にPGE_2産生が高いBALB/cマウスではPGE_2産生能が低いC57BL/6マウスに比してDNFB反復塗布により高い抗原特異的IgG抗体産生が認められた。 <結論> 以上の結果よりDNFBなどの化学物質により誘導される接触過敏反応にはmPGES-1の活性化によって誘導されるPGE_2が重要な役割を演じていると考えられ、PGE_2の産生制御が化学物質過敏症の治療の新たなターゲットになりうるものと考えられた.さらに遺伝的素因によるPGE_2産生能の差異が接触過敏反応の感受性に関与することが示唆された.
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