統合失調症に合併する肥満症に対するアセスメントと治療ガイドラインの作成
Project/Area Number |
18790824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Hanamaki National Hospital |
Principal Investigator |
大島 紀人 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Hanamaki National Hospital, 花巻病院臨床研究部, 第一精神科医師 (70401106)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 肥満症 / 統合失調症 / 医療観察法 / 栄養指導 / 非定型抗精神病薬 |
Research Abstract |
今年度は引き続き外来受診中の統合失調症に罹患している症例男性16名、女性7名(平均年齢50.2±12.5歳)を調査した。また同診断にて精神科閉鎖病棟で入院治療を受ける患者男性21名、女性16名(平均年齢50.2±13.0歳)を対象に調査した。調査項目はBMI、 BPRS、食事・運動・体重への満足度(VAS)、血圧、血液検査、抗精神病薬投与量(CP換算量)である。両群の平均BMIは外来26.5±4.1、入院24.3±4.0で外来患者の方が優位にBMIは高かった。BPRS、 VASには有意差が見られなかった。血液検査の結果では外来患者でTcho、 TG値が有意に高かった。両者の薬物投与量に有意差は見られなかった。入院患者34例に対しBMIを目的変数、その他の調査項目を説明変数とし、ステップワイズ法で変数を選択し重回帰分析を行った。その結果、女性であることと間食摂取カロリーの増加はBMIを増加させ、心気や幻覚の症状が重篤であること、非協調性が見られることはBMIの減少ど関連していた。閉鎖病棟、特に医療観察法病棟に入院中の統合失調症患者19例(男性13名、女性6名、平均年齢46.4±11.8歳)の同意を得てBMIの推移を調査すると、入院時の平均BMIは23.6±3.5であったが、入院3ケ月後は24.5±3.8、6ケ月後は25.6±3.9、1年後は26.5±5.0と増加傾向にあった。さらにこのうち10例を対象にSolutions for Wellnessを用いた介入を行った。プログラムの中途脱落者はなかった。プログラム導入前のBMIは25.6、プログラム終了時のBMIは25.2、プログラム終了3ケ月後のBMIは25.2であった。これによりSolutions for Wellnessを用いた介入により体重の増加を予防できる可能性が示唆された。ただし今回介入後の経過観察期間は3か月に過ぎずより長期の観察により効果の持続を検討する必要がある。また医療観察法入院医療は法に定められた強制医療であり、行動範囲の束縛も大きいことから、少ない運動量が肥満につながり入院処遇中の身体的健康を損なうおそれがあることから、本プログラムの意義も示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)