肝虚血再潅流傷害に対する新たな遺伝子治療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
18790940
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塩谷 聡子 Kyushu University, 大学病院, 医員 (90419549)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 移植外科学 |
Research Abstract |
平成18年度は、冷虚血再潅流直後の肝臓におけるROS産生源はKupffer細胞ではなく肝細胞である可能性が高いとの結果を得た。 平成19年度はDominant negative Rho-kinase(DNRhoK)をドナー肝細胞に導入し、Rho-kinaseを介した、ROS産生経路の存在を証明すると共に、肝細胞のRho-kinaseが虚血再潅流傷害の遺伝子治療のタ-ゲットになり得ることを証明した。 1. DNRhoK、LacZ(control)をドナーラット肝細胞に導入後、レシピエントラットで再潅流直後のROSを測定したところ、DNRhoK導入群で有意に抑制された。さらに、これらのROSはNADPH oxydase inhibiorで有意に抑制された。よって、肝虚血再潅流傷害における再潅流直後のROSは肝細胞のRho-kinaseを介して、NADPH oxydase systemにより産生される可能性があると考えられた。 2. DNRhoK、LacZ(control)をドナーラット肝細胞に導入し、DNRhoK導入群で虚血最潅流傷害が抑制されることを証明した。肝障害(AST/ALT)、炎症性サイトカイン(TNFα, IL-1β)、いずれもDNRhoK導入群で有意に抑制された。また、肝虚血再潅流傷害の結果生じるとされる、肝内微小循環障害をLaser Dopplerを用いて評価したところ、DNRhoK導入群おいて、有意に抑制されていた。 3. ラット肝移植モデルにおける生存率の比較を行い、DNRhoK導入群で有意に良好であった。 平成18-19年の研究結果より、肝移植後の虚血再潅流傷害を回避するために、ドナー肝へのDNRhoK導入により肝細胞NADPH oxydaseにおけるROS産生を抑制することが有効であることが証明された。肝細胞のRho/kinaseは肝虚血再潅流傷害のターゲットとして有用と考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)