Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成19年度研究計画に沿って2項目の実験を行い、癌抑制遺伝子BAP1の癌抑制機能解析を行った。基質(脱ユビキチン化する相手)の同定ショットガンプロテオミクス法を用いてBAP1の基質を同定した。候補タンパク質が多数検出され、In-vivo、 In-vitroにて確認実験を行った。また、細胞周期で時期によって結合量の違うタンパク質が確認された為、培養細胞を用いて各周期(Gl、 M、 S期)での変動を確認中である。UV、 IRを用いてDNA障害時の細胞を用いた解析を行った結果、細胞周期での変動タンパク質とは別に変動するタンパク質が多数確認された。BAP1の脱ユビキチン化が細胞周期チェックポイント、DANリペア等に関与する事が示唆される結果となった。BAP1過剰発現時、又はノックダウン時の細胞内タンパク質の変動の網羅的解析2次元電気泳動法を用いてBAP1の過剰発現時及びノックダウン時のタンパク質の変動を解析した。過剰発現にはタンパク質発現ベクターを用いた。ノックダウンにはsiRNA又はshRNA発現ベクターを用いた。19年度研究結果、上記ショットガンプロテオミクス法実験の結果から予想されるタンパク質以外の複数のタンパク質の変動を確認する事ができた。今回同定したこれらのタンパク質は様々なパスウェイに関与していると想像されBAPIが多岐にわたって細胞機能の調整を行っているものと考えられる。癌化に関与しているタンパク質に限定をして現在確認実験を行っている細胞内でのBAP1の機能(脱ユビキチン化)が多くの細胞内パスウェイに関与し、またそれらを調整していることが解明された。