Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
本研究はそのBMP初期応答遺伝子を検索し,BMPによる骨形成過程の中でRunx2の発現調節機序を明らかにすることである。 マウス胎児大腿より未分化間葉系細胞を分離し,この細胞にBMP4を投与し1時間後にRNAを回収し,DNAマイクロアレイにて解析を行った。この結果Hox遺伝子群のひとつDlx2が最も高い発現を示した。Real-time PCRにおいても,発現上昇が確認された。 さらに骨髓ストローマ細胞由来ST2細胞,MC3T3-E1細胞を用いて同様の実験を行った。この結果,転写活性を持つ分子として,ST2細胞においてJunB,STAT3などが2倍以上の発現上昇を示した。 JunBは乳ガン細胞において,TGF-βによるcollagenaseの発現誘導が起こる際,Runx2およびSmad3と複合体形成することが報告されている。BMPにより,Smad1,5がリン酸化し核へ移行することからSmad1,5とJunB,Runx2が複合体を形成することで,Runx2の転写活性を上昇させている可能性が示唆された。 STAT3もまた,Growth hormoneによるRunx2の転写活性を上昇させる機能を持つことが報告されている。BMPによる初期応答では,Runx2の発現上昇が認められないことから,BMPがRunx2の発現ではなく,転写調節領域への結合活性を制御している可能性が示唆された。 MC3T3-E1細胞では,JunBの発現上昇は認められたが,STAT3の発現上昇は認められなかったことから,細胞の分化段階により,Runx2の活性制御が異なる可能性が示唆された。
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