Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
申請計画に基づき、前立腺癌組織のみにメチル化を伴ったDNA断片を同定するため、臨床検体として得られた前立腺癌組織と良性前立腺組織を用いてMCA/RDA法を施行したが、目的とされるDNA断片が満足に得られなかった。その原因としてはMCA/RDA法が制限酵素処理/PCR処理を頻回に必要とし、克つ条件設定が難しく複雑な方法であるためと考えられる。そのため、種々の処理過程の条件設定(組織から抽出するDNA量の増量や、PCRの際のアニーリング温度やサイクル数の再設定など)の再検討を行ったが、困難であった。 また、本メチル化研究に関連して、本研究者は前立腺癌組織のみにDNAメチル化をきたす遺伝子としてCycloxygenase-2(COX-2)に注目した。この遺伝子の上流域のメチル化は胃癌を始め様々な癌組織中に認められていることが報告されている。本研究者は前立腺癌細胞株LNCaP,DU145,PC3においてCOX-2遺伝子の発現制御領域のCpG islandにおいてBisulfite Sequence法、COBRA法にてメチル化の解析を施行した。その結果、上記3種の前立腺癌細胞株において高頻度のメチル化を確認した。一方、良性前立腺組織においてはメチル化を認めなかった。この現象はCOX-2遺伝子が前立腺癌組織中においてメチル化により発現が制御され、なんらかの働きを担っていることが考えられる。従って、癌組織中のCOX-2遺伝子のメチル化の有無と臨床情報との関係を明らかにする事により、前立腺癌に対する診断、治療方針の決定、予後の予測など臨床的に応用できる可能性があると考えられる。 以上、今回の研究により一定の成果を挙げることができた。研究途中の部分に関しては継続を、また、明らかになったものに関しては結果の報告を施行予定である。
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