子宮内膜症の発生・進展におけるセロトニン2型(5-HT2)受容体の役割
Project/Area Number |
18791156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鎌田 泰彦 Okayama University, 医学部歯学部・附属病院, 助教 (70346427)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 子宮内膜症 / 子宮腺筋症 / 5-HT / セロトニン / 5-HT 2A / セロトニン(5-HT) / 5-HT_<2A> |
Research Abstract |
5-HT2A受容体(5-HT2AR)が主に正常子宮内膜腺上皮の細質と,子宮筋層内の血管平滑筋に発現すること.子宮内膜では月経周期依存性の発現をすること.子宮腺筋症の正所性子宮内膜でも同様の周期的発現をするが,異所性子宮内膜の腺上皮では,月経周期と無関係に恒常的な発現をすること.それらより5-HTは正常の子宮内膜増殖だけでなく,子宮腺筋症病変の増殖にも関与する可能性について,昨年度から報告してきた. 5-HTは,末梢では知覚神経すなわち一次求心性無髄神経の5-HT作動型ニューロンを介して痛覚に関与することが,これまでに知られている.また子宮の神経支配には,自律神経系(交感神経および副交感神経)と知覚神経系があることも知られている.そこで5-HTが子宮内膜症および子宮腺筋症に伴う月経痛にも関与しているという仮説をたて,正常子宮および子宮内膜症・子宮腺筋症病変部における5-HT田作動型ニューロンの存在様式について検討した. 後根神経節ニューロンのcalcitonin-gene related peptide(CGRP)陽性神経線維を,免疫組織化学染色により正常子宮筋層および子宮腺筋症子宮筋層に認めた.これらの神経線維は,子宮腺筋症病変とは無関係に走行し,子宮筋層内に散在していた.同時にこれらのCGRP陽性神経隷維は高率に5-HT2ARを共発現していた.また子宮摘出時に同時に採取した仙骨子宮靭帯内にもCGRP陽性神経緑維が走行し,5-HT2ARを共発現していた.以上より子宮体部より仙骨子宮靭帯,後根神経節を経て脊髄に入る5-M作動型ニューロンの存在が示された.さらに子宮内膜症患者の腹膜病変であるred lesionにおいてもCGRP陽性神経線維を認め,5-HT2ARを共発現していた.本研究により,子宮内膜症および子宮腺筋症の痔痛機序には,これまでに知られていう経路とは別に,5-HT系を介した終痛経路の存在が示唆された. 以上の研究成果により5-HTあるいは5-HT2ARが子宮内膜症の増殖および痙痛の両方に関与している可能性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)