Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
昨年度、in vitroでの超音波を用いた遺伝子導入法を確定し、今年度はin vivoでの検討を行った。当初マウスを用いて行う予定であったが、モルモットを用いて行うこととした。1.導入遺伝子の作成、遺伝子導入血管条に存在するカリウムチャンネルKCNJ10をコードするgerbil KCNJ10遺伝子のプラスミドベクターを作成。モルモットに麻酔を行った後、後頭部を固定し側頭骨を削開し内耳プロモントリーに直径1mmの開窓を行った。事前にKCNJ10プラスミドベクターをマイクロバブルに封入しておき、作成した小孔よりガラス毛細管を用いバブルを注入し、超音波発生装置を用いて超音波を照射した。小孔を側頭筋小切片を用いて閉鎖し、24〜72時間後に断頭し内耳を摘出した。2.導入遺伝子の確認GFPを添加したサンプルではは蛍光顕微鏡下にGFPの蛍光シグナルを確認した。また、FLAG添加したプラスミドを導入したサンプルでは免疫染色を行った後に光学顕微鏡下に観察した。結果は基底回転において蛍光および発色を確認できたが、当初の予想通り、血管条以外にも蓋膜にも導入されていた。一方、遺伝子導入したコルチ器組織からRNAを抽出し、特異的プライマーを用いてreverse transcription-PCRを行い、gerbil KCNJ10の発現を認めた。これらの結果により、基底回転への遺伝子導入は可能であったが、apexまでいかに導入を行うかが今後の課題となった。