前庭障害者における体循環および自律神経への影響についての検討
Project/Area Number |
18791203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中村 陽祐 Tottori University, 医学部・附属病院, 医員 (70403417)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | Head-down-tilt(HDT) / 体位変換 / 前庭 / 交感神経 / 血圧 / 循環 / HDT / 前庭破壊 |
Research Abstract |
宇宙の微小重力環境下では、耳石入力の低下や体液の頭方移動が原因で、宇宙酔いや顔面浮腫が生じると考えられているが、その発症のメカニズムは不明な点が多い。一方、前庭障害のある患者はめまい発作を生じ、種々の自律神経症状を呈する。これらの病態を解明するために、前庭入力の変化と体液頭方移動が自律神経系に及ぼす影響について検討した。麻酔下のウサギを用いて、頭部を下方に体位変換(Head Domn Rotation,HDR)すると体液頭方移動が生じ、前庭入力が変化すると考えられる。そこでHDR時の血圧、脈拍、腎交感神経を記録した。HDRを行うと、交感神経活動の抑制のあと、血圧の一時的な低下を認めた。脈拍に変化はなかった。この反応は自律神経節プロッカー(ヘキサメソニウム)の投与で消失した。従って、この現象は交感神経活動抑制による血圧の低下と考えられた。次にHDR時の圧受容器反射を見るために、求心路である減圧神経の活動を記録した。HDRは減圧神経括動を賦活したカミ、HDR後に減圧神経が活動のピークに達するまでの時間は交感神経活動抑制のピークより長かった、従って交感神経活動抑制は圧受容器以外のメカニズムによって生じる可能性が示唆された。そこで、前庭を破壊した動物(前庭破壊群)を作成し、HDR時の血圧、脈拍、腎交感神経を記録した。その結果、前庭破壊群ではHDR後に交感神経活動および血圧に変化を認めなかった。以上の結果から、HDRによる前庭入力の変化が交感神経抑制を惹起し、血圧低下が起きたと考えられた。次に覚醒ウザギで検討したところ、前庭破壊群・対照群の両方で血圧・交感神経活動は上昇したが、前庭破壊群では対照群より高く血圧が上昇した。この結果は麻酔下HDR負荷実験の結果と一致しており、HDRにより、前庭入力の変化が交感神経抑制を惹起すると考えられた。現在、覚醒動物においては交感神経活動に対する体性感覚の影響を調べるとともに、ヒトについてHDR負荷の検討をすすめている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)