Project/Area Number |
18791216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
兵頭 純 Ehime University, 医学部・附属病院, 講師 (30423453)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 造血幹細胞 / 虚血性内耳障害 / 内有毛細包 / GDNF / 神経栄養因子 / 鼓室階 / 内有毛細胞 / スナネズミ |
Research Abstract |
本年度の研究では一過性内耳虚血モデルを用い、造血幹細胞の蝸牛内投与による内耳障害の防御効果を探索するとともに、神経栄養因子の発現について検討した。鼓室階に注入した幹細胞の行方を調べる目的で、造血幹細胞(PKH67陽性細胞)を緑色の蛍光色素PKH67で染色して投与し、虚血負荷後4日目に標本を採取、これを4%PFA液にて固定しEDTAで脱灰後、厚さ10μmの凍結切片を作成して蛍光顕微鏡にて観察した。さらに虚血4日後に断頭し、速やかに蝸牛を摘出、ホモジナイズしてウエスタンブロット法によGDNF、BDNF,FGF1,FGF2,Ang1,NT3及びEPO蛋白測定を行った。画像解析ソフトを用いて発現バンドの定量的評価を行ない、幹細胞注入群とcontrol群で蛋白発現量を比較した。PKH陽性細胞は鼓室階に散在性にみられたが、コルチ器や周辺組織への侵入像はなく有毛細胞と置換や融合をおこすことはなかった。結果だが、今回、7つの栄養因子について蛋白発現を検討した結果、虚血負荷によりGDNFのみ発現が認められた。GDNFの発現量は、無処置群、control群、幹細胞注入群の順で多かった。以上より造血幹細胞を鼓室階にあらかじめ投与しておけば、虚血負荷による内耳障害が防御されることが示された。虚血障害が防御された機序としては、注入しておいた造血幹細胞が障害を受けた有毛細胞に分化、あるいは有毛細胞と融合し障害を回避できた可能性もあるが、むしろ幹細胞が栄養因子の一つであるGDNF合成を促進し内耳を保護した可能性が高い。GDNFはcontrol群でも増加がみられており、傷害急性期において生体防御システムの一貫として合成されるものと思われる。GDNFはフリーラジカルの産生抑制、アポトーシス誘導カスペースの抑制などの作用を有することが知られており、虚血性内耳障害の防御にも有効であると結論した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)