鼻粘膜における線溶因子の発現とその生理的・病的意義の解析
Project/Area Number |
18791230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
瀬嶋 尊之 Jichi Medical University, 医学部, 助教 (20326838)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 線溶因子 / ノックアウトマウス / アレルギー性鼻炎 / RNAi / 鼻茸 / サイトカイン / PAI-1 |
Research Abstract |
アレルギーの成立とその後の病態に、線溶因子が関与するのではないかという仮説に基づき、主に動物実験(マウス)を主体に実験を行った。線溶因子のPAI-1ノックアウトマウスの感作モデルにおいては、鼻症状・血清中特異的抗体価・組織変化・局所でのサイトカイン産生などの面で、コントロールに比べてアレルギー性炎症が抑制されるという結果が得られている。本年度は、この結果を治療法の開発に応用する基礎実験として、後天的にマウスの局所でPAI-1をノックダウンするRNAi実験を行った。使用するsiRNAはプラスミドベクターとして作製し、マウスへの局所投与により、そのノックダウン効率を検討して本実験に備えた。本実験ではこれまで確立されたアレルギー性鼻炎モデルの感作過程で、PAI-1のsiRNA発現プラスミドを投与し、in vivoでのRNAi実験を行った。その結果、siRNA発現プラスミド投与マウスは、コントロール(通常の感作モデルマウス)に比較して、鼻症状(鼻掻きおよびくしゃみ回数)・鼻粘膜の組織検査(好酸球浸潤や上皮の杯細胞化生)・鼻粘膜局所でのサイトカイン産生などが抑制され、PAI-1ノックアウトマウスの実験とほぼ同様の結果を得た。しかし血清中特異的抗体価(Ig-G1やIg-E)は一定の傾向がみられず、全身に対する効果としてははっきりと認められなかった。これらのことは、ある疾患にかかわると思われる特定の遺伝子を、後天的に局所のみで制御できる可能性があるという点で、非常に意義があることと考えられる。局所のアレルギー性炎症のように、できるだけ全身的には大きな影響を及ぼさず、症状の出る局所のみで病態をコントロールできることは非常に重要と思われる。本研究をさらに発展させることにより、今後のさらなる病態解明や治療法への応用も期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)