Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
水痘帯状庖疹ウイルスと特発性混合性喉頭麻痺に関する検討を行った。対象とする症例は7例経験した。各々に水痘帯状庖疹ウイルスと単純ヘルペスウイルスにおけるCF、IgG、IgM抗体価測定を行った結果、有意な抗体価変化を全例に認めたことから水痘帯状庖疹ウイルス感染による喉頭麻痺と診断した。ヘルペス疹は1例にあり喉頭蓋に認められた。これらの症例に対して嚥下透視検査を行い、障害の程度の検索や部位診断を行った結果、視診や内視鏡などの検査では見過ごされると思われる左右咽頭収縮の大きさに差を認めた。このことは反回神経より中枢の迷走神経機構が障害されていることの証明であり、嚥下透視検査を初診時の早い段階で行いわずかな咽頭運動の変化を捉えることで早期の混合性喉頭麻痺の診断が可能であった。我々の推論の1つである原因不明とされてきた喉頭麻痺単独の症例の中にも混合性喉頭麻痺が数多く存在することを示唆し得る結果であった。また、IgM抗体価の上昇により診断された3症例、さらに、抗ウイルス剤投与時期が遅れた2症例では、有意に麻痺の継続が長く、麻痺改善の程度も乏しい結果となった。以上の結果を総括すると、喉頭麻痺症例に対しては、初診時より水痘帯状庖疹ウイルス抗体価検査および嚥下造影検査を行うことで水痘帯状庖疹ウイルスによる混合性喉頭麻痺と早期診断が可能で、抗ウイルス薬(およびステロイド剤)の早期投与を行ことで麻痺や後遺障害の改善が図れる可能性は高いと考えられた。
All 2008 2007
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 80
Pages: 196-198
The Journal of Laryngology & Otology 122
Pages: 170-176
喉頭 19
Pages: 93-100
10029540561