加齢性内耳障害モデルラットの作成、病態および予防法の研究
Project/Area Number |
18791251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
水足 邦雄 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚・平衡覚研究部, 研究員 (40338140)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 老人性難聴 / ミトコンドリア / 3-nitropropionic acid |
Research Abstract |
ミトコンドリアトキシンである3-nitoropropionic acid(3-NP)を内耳に慢性的に投与誌,慢性ミトコンドリア障害による加齢性難聴モデルを作成した。内耳へ薬剤を局所投与するための,内耳障害が生じないように細径のチューブを作成し,これを浸透圧ポンプに接続し,持続的に低容量の薬剤が駆出できるようにした。これをラットの一側内耳に外側半規管経由で埋め込み,3-NPを持続的に内耳に局所投与した。その結果,10mMの3-NPを2ケ月間投与したところ,高音域(20kHz)を中心とした慢性の感音難聴が生じることがABRで確認できた。また,5mMの3-NPでは個体差が生じ,難聴を生じるものと,正常聴力のままである個体とが生じた。コントロールとして人工外リンパ液を投与したラットでは,聴力障害を認めなかった。以上の結果から,慢性のミトコンドリア障害によって慢性の感音難聴が生じることが明らかとなり,またコントロール群で難聴が認められなかったことから,本手術は薬剤を投与するのに適した方法であることが明らかとなった。この方法で生じた難聴は高音域を中心とした感音難聴であり,臨床的な老人性難聴の病態と極めて近いものであることが示唆された。組織学的にはコルチ器有毛細胞およびらせん神経節,さらに蝸牛外側壁線維細胞と蝸牛内のほぼ全ての組織に強い変性の所見を認め,これは蝸牛の全回転に対して認められた。さらに,このモデルに対してATPの蓄積を促すクレアチンの経口投与を行ったが,明らかな聴力保護効果を認めることはできなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)