自発蛍光を応用した黄斑疾患の病因の解明、診断ならびに治療への応用
Project/Area Number |
18791276
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沢 美喜 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (50403043)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 眼底自発蛍光 / 黄斑疾患 / 加齢黄斑変性 / 網膜色素上皮 / リポフスチン |
Research Abstract |
眼底自発蛍光撮影の臨床応用は本邦において普及しつつあり、機関誌「あたらしい眼科」にて「眼底自発蛍光の変化が示唆するもの」として眼底自発蛍光を紹介した。眼底自発蛍光は、共焦点レーザー走査型検眼鏡(cSLO)あるいは眼底カメラ型装置に特殊なフィルターを組み込み、撮影することができる。眼底自発蛍光では、強度近視あるいは加齢黄斑変性における網脈絡膜萎縮の変化について非侵襲的に評価できる方法として注目されている。cSLOを用いて、強度近視眼におけるインドシアニングリーン(ICG)を用いた硝子体手術後のICG残存を観察したところ、術後6ヶ月でも網脈絡膜萎縮痕周囲でICG残存が観察され、網膜色素上皮の存在が眼内ICG排泄に関わっていることを見出し報告した。また、cSLOを用いたICG造影では、加齢黄斑変性の一型であるポリープ状脈絡膜血管症(PCV)の血管病変を描出することに長け、従来の撮影方法よりも病変全体のサイズが小さく測定できる旨を報告した。また、狭義加齢黄斑変性とPCVに対する光線力学療法の治療成績を比較し、PCVの治療成績が良好であることを報告した。眼底自発蛍光は主として網膜色素上皮細胞内に存在するリポフスチンに由来すると考えられているものの、臨床の場においては、漿液性網膜剥離範囲に一致して過蛍光が観察され、網膜下液内に存在する自発蛍光物質が示唆されている。最近では感覚網膜内に存在する自発蛍光物質について報告がみられるものの、生体眼においてはリポフスチンの自発蛍光が強いために、従来の自発蛍光撮影では感覚網膜内にある自発蛍光物質の可視化は困難であると考えられている。今回、黄斑移動術後における眼底自発蛍光撮影において、術後の新しい黄斑では強い過蛍光を示す症例が数多くみられ、これらの過蛍光の形状が術前の脈絡膜新生血管の形状と相関していることを見出し、新しい黄斑における過蛍光は術前の脈絡膜新生血管に由来する感覚網膜内に残存した自発蛍光物質である可能性を見出し、論文の投稿をおこなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(20 results)