涙液中脂質の網羅的解析によるマイボーム腺機能不全の病態解析
Project/Area Number |
18791311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
望月 弘嗣 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 東京医療センター(臨床研究センター)・視覚研究部, 研究員 (60286565)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 分析化学 / 生体分子 / 脂質 / 蛋白質 / プロテオーム / 涙液 / メタボローム / マイボーム腺機能不全 |
Research Abstract |
マイボーム腺機能不全患者の涙液中の脂質蛋白バイオマーカを高速液体クロマトグラフィー/質量分析システムを用いて検討した。涙液,マイボーム腺分泌物の採取にはシルマー試験紙を用い,5マイクロリットル程度の微量試料から脂質を抽出して分析を行った。分析にはカラムスイッチング3溶媒グラジエントHPLC/イオントラップMS法を用い,涙液中性脂質(コレステロールエステル,ワックスエステル)とリン脂質を分析した。この方法により涙液のリン脂質の多量成分を検出できるようになったが,マイボーム腺分泌物からはリン脂質は検出されなかった。涙液には複雑な分子種組成のコレステロールエステルやワックスエステルが相対的に多量に含まれていた。これらの脂質はカラムから最初に溶出されるが,非特異的吸着のためカラムに残り,テーリングして,遅れて溶出されるリン脂質などの分析を著しく妨害する。リン脂質が溶出される保持時間帯にはバイオマーカの候補の生理活性脂質が多く含まれるので,これらの微量成分を分析するためにワックスエステルのテーリングを回避する方法を開発する必要があることが分かった。また,中性脂質とリン脂質の間に溶出されるセラミドや糖脂質の検出感度の向上も検討する必要がある。このような涙液中の脂質の網羅的解析を進めていくことによって,ドライアイのバイオマーカや新しい治療の標的分子の同定が可能となるものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)