Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
サイトカインは敗血症性ショック、心筋炎、虚血性心疾患や心肥大の病態に関わっている。Suppressor of cytokine signaling (SOCS)1はサイトカインの細胞内シグナル伝達の抑制因子である。心臓の虚血再灌流においては好中球浸潤をはじめとする炎症反応が惹起され、過剰なサイトカインの産生が起こる。サイトカインによる誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の過剰発現により大量の一酸化窒素が産生され心筋壊死や心ポンプ機能の低下を生じる。サイトカインによる細胞内シグナル伝達の活性化を抑制してiNOSの発現を抑制すれば心臓再灌流障害を軽減できる可能性がある。SOCS1の心臓再灌流障害における意義を調べるためにSOCS1心臓特異的過剰発現マウス(SOCS1-Tg)を用いた。セボフルラン麻酔下に虚血30分、再灌流48時間で虚血再灌流障害モデルを作成した。梗塞領域/虚血領域比および梗塞領域/左心室比を評価したところ野生型は、それぞれ0.598±0.160(平均±SD)および0.346±0.095、SOCS1-Tgは、0.686±0.085および0.452±0.128であり、統計学的な有意差は見られず、同様な結果であった。さらに内因性のSOCS1を誘導するカルディオトロフィン-1を虚血30分前に経静脈投与し、同様に心臓再灌流障害を作成した。梗塞領域/虚血領域比および梗塞領域/左心室比を評価したところ、対照群(n=6)は、それぞれ0.67±0.07(平均±SE)および0.40±0.06、CT-1投与群(n=8)は、0.65±0.08および0.37±0.05であり、統計学的有意差は見られず同様な結果であった。
All 2006
All Journal Article (1 results)
Journal of Moleculer Cellular Cardiology 41
Pages: 1010-1022