性ホルモンとその標的因子が骨代謝調節と幹細胞ニッチに果たす役割の解明
Project/Area Number |
18791351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
樋山 伸二 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60314754)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 骨代謝 / エストロゲン / 骨髄骨 / 骨リモデリング / 幹細胞ニッチ / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
骨代謝および幹細胞ニッチにおけるエストロゲンの役割を明らかにするために、昨年度に引き続き鳥類の骨髄骨を用いて、以下の実験を行った。 1)成熟雄ウズラにエストロゲン(E2)を単回投与し、骨髄骨の形成期(投与後3,2,1日)における骨髄細胞を培養した。破骨細胞の誘導因子(RANKLおよびM-CSF)存在下の細胞では、破骨細胞の分化関連因子であるNFATclなどの遺伝子は投与後3日の細胞で発現が高かった。また誘導因子無投与の各E2投与群の細胞では、それらの遺伝子の発現は低い、あるいは認められなかった。以上の結果から、E2投与3日の骨髄細胞は破骨細胞により分化した前駆細胞を多く含むことが示唆された。 2)上記の実験モデルを用い、同様に骨髄細胞を培養した。各骨髄細胞を前培養した後、接着細胞を採取し再播種した。その結果、各接着細胞は誘導因子存在下で、破骨細胞の指標である酒石酸抵抗性酸ボスファターゼ(TRAP)陽性の多核細胞を形成した。しかし、TRAP陽性の多核細胞の数および大きさは各E2投与群で差違はなかった。以上の結果から、培養初期の各E2投与群の接着細胞に破骨細胞の分化能に差違がないことが示唆された。 3)上記の2)において、骨吸収能を検討した結果、誘導因子存在下の細胞に吸収窩が見られたが、各E2投与群に差はなかった。また分化関連因子の遺伝子発現にも差は認められかった。以上の結果から、各E2投与群の接着細胞には破骨細胞の機能に差違はないことが推察された。 以上の結果から、浮遊細胞に破骨細胞の前駆細胞が含まれ、投与後3日に多く含まれることが推察された。 これらのことから、E2投与による骨髄骨形成が進むに連れ、骨髄細胞中に破骨細胞の前駆細胞が増加することが示唆された。また、破骨細胞の分化誘導因子が必須なことから、骨芽細胞と造血幹細胞との相互関係であるニッチにE2が何らかの影響を与え、破骨細胞の前駆細胞の分化を促進させることが考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)