抗炎症作用を併せ持つビスホスホネートの作用機序について
Project/Area Number |
18791364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹山 禎章 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (00333823)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ビスホスホネート / 歯周疾患 / 抗炎症作用 / PGE2 / プロスタグランジンE2 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞にLPSを添加して培養し、PGE2産生に関与するCOX-2mRNAの発現へのTRK-530の効果を検討したがほとんど変化が認められなかった。しかしながら、培養液中のPGE2の産生は減少傾向を認めることから作用機序は不明だが骨芽細胞を介した抗炎症作用が考えられる。MC3T3-E1細胞をTRK-530添加で培養するとALP活性の増加、コラーゲン、ALP、オステオカルシン、BSP mRNAの発現を増加した。TRK-530は骨芽細胞に対し炎症を軽減する効果と骨形成を促進する薬理作用を有する可能性がある。 TRK-530は側鎖に窒素原子を含まないグループに属しこれまでにLPS添加でのマウス器官培養でPGE2やIL-1βの産生を抑制することを確認してきた。側鎖に窒素原子を持つゾレドロネートはマウス頭蓋冠器官培養で高濃度で使用するとIL-1βやPGE2の産生を増加した。また、歯周病の原因因子の一つであるLPSを添加したマウス頭蓋冠器官培養でのゾレドロネートの効果を検討したところ、濃度依存的にIL-1βやPGE2の産生を増加した。これらの結果は窒素原子を持つタイプのゾレドロネートは炎症を増悪し、窒素原子を含まないTRK-530には炎症を増悪する可能性は少なく、歯周病を含む炎症性疾患に安全に使用できることが考えられる。組織学的にもリガーチャーを巻き作成した実験的歯周炎モデルラットの組織切片でTRK-530を局所的に投与した歯槽骨での破骨細胞数の減少と炎症性細胞の浸潤の減少を認め、炎症部の破壊の程度が少なかった。 これらの結果からTRK-530にはLPSによって増加するPGE2、IL-1βの炎症性サイトカインを減少させる作用があり、歯周疾患治療薬としての応用できる可能性が高いと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)