Project/Area Number |
18791372
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
石井 久淑 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 講師 (00275489)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 咀嚼筋 / 頸部交感神経 / 副交感神経性血管拡張線維 / アドレナリン受容体 / 三叉-自律神経反射 / 交感神経性血管収縮線維 / NPY / 自律神経性血流調節 / フェントラミン / プロプラノロール |
Research Abstract |
本研究は、咀嚼筋の血流調節における副交感神経と交感神経との相互作用に関連する神経伝達物質とそれらの受容体について検討した。その結果、(1)副交感神経性血流増加反応に対する交感神経による抑制作用は交感神経α-及びβ-受容体遮断薬(フェントラミン及びプロプラノロール)によって影響を受けなかったが、ニューロペプチドY(NPY)の拮抗薬であるBIBP3226の前投与によってその抑制作用が減弱した、(2)NPYの特異抗体を用いた免疫組織化学染色によって、咀嚼筋の血管を支配する神経線維に豊富なNPY免疫陽性反応が認められた。以上より、咀嚼筋の副交感神経性血流増加反応に対する交感神経による抑制作用は交感神経α-及びβ-受容体を介する反応ではなく、NPYなどの非アドレナリン性の神経伝達物質とそれらの受容体が関与している可能性が示唆された。 咀嚼筋の機能障害(慢性疼痛や筋疲労など)は顎・顔面・頭部領域の慢性疾患(頭痛、ブラキシズム及び顎関節症など)に最も多く認められる症候であるが、これら障害の発症機序や病態については未だ不明な点が多く残されている。本研究は咀嚼筋に特有な副交感神経性血流増加反応と咀嚼障害との関連性に着目した初めての試みであり、副交感神経と非アドレナリン性交感神経による相互作用が咀嚼筋の血流障害に関与する可能性を明らかにした。したがって、本研究は咀嚼障害に対して自律神経性血流調節系が密接に関与するとした、全く新しい原理に基づく病因論とその治療法を確立するための基盤的研究として位置づけられる。
|