Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
これまで我々は,歯冠補綴物そのものを磁石とし,吸引力を補綴物の維持に用いる白金鉄系磁合金を利用した全く新しい歯冠補綴システムを考え,研究開発を続けてきた. 本研究の目的は,臨床的に必要十分な吸引力を得るための新しい可撤式クラウン・ブリッジの設計方法を,三次元磁場解析を応用して検討することである. 今回,歯科臨床的に多い第一大臼歯欠損を想定し,第二小臼歯と第二大臼歯を支台歯とした3ユニットブリッジ形態について吸引力等の検討を行った.第二大臼歯モデルの外冠は咬合面直径10mm,咬合面の厚み1.5mm,テーパー1/10,ショルダー幅0.5mmとし、内冠は直径7.8mm,咬合面,軸面の厚みは0.5mmとした。第二小臼歯モデルの外冠は咬合面直径8mm,内冠は直径5.8mm,咬合面と軸面の厚みは0.5mmに設定した。第一大臼歯欠損部のポンティックモデルは咬合面・径10mm,高さ8mmのモデルとした。外冠,ポンティックは白金鉄系磁石合金,内冠はSUS447J1磁性ステンレス鋼を用いたモデルとした。これらのモデルを用いて積分要素法による三次元磁場解析を行った結果、5.24Nという吸引力が得られた。 さらに、咬合面に裂溝をイメージした幅3.0mm,深さ0.5mmの溝を+状に付与した第二臼歯モデル、第一大臼歯ポンティックモデル、幅3.0mm,深さ0.5mmの溝を近遠心的に-状に付与した第二小臼歯モデルによる3ユニットブリッジモデルにおいても、4.31Nという吸引力が得られた。また、空間漏洩磁束最大値は安全基準以下の値であり、生体に対する為害性はないことは示唆された。 コーヌスクローネ等の維持装置の最適な維持力は5N程度が最適といわれており、また既製磁性アタッチメントの吸引力が平均的には4~6N程度であることを考えると、今回の解析により得られた吸引力は歯科臨床的に適用可能であると考えられる。
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