Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
顎骨におよぶ広範囲な欠損を有する患者は,その残存する口腔組織の運動の制限や特異的な形態により,一般的に機能回復が極めて困難とされる.顎骨欠損患者の機能回復の手段の一つとして顎義歯が用いられるが,現在でも顎義歯に関する咀嚼機能評価の確固たる指標は得られていない.そこで,顎義歯の咀嚼機能評価に関する指標作成を目的に本研究に着手した.昨年度の研究実績報告書において,咀嚼能力の主観的評価である摂食可能食品アンケートおよび咬合力測定から得られた結果を検討して報告したが,咀嚼能力評価としての客観的評価が行われていなかった.そこで今回,摂食可能食品アンケートおよび咬合力測定と客観的咀嚼能力試験を実施し,それぞれの結果を比較検討することにより,顎義歯装着者における咀嚼機能回復の実態を調査した. 今回の被験者は上下顎のいずれかに骨欠損を有する24名であり,装着された顎義歯に関する不具合がなく,本研究の主旨に同意が得られた者を対象とした.2種類の試験食品を咀嚼能力の客観的評価として用いたが,検査用グミゼリーでは咬断片表面積増加量を,ワックスキューブ(井上アタッチメント社)においては混合値をそれぞれの咀嚼能力として評価した.また,デンタルプレスケール(フジフィルム社)を用いた咬合力測定も同時に行ない,2つの試験材料における咀嚼能力との関係を評価した.また,摂食アンケートの結果から咀嚼スコアーを算出し,主観的咀嚼能力評価の要素として処理した. それぞれの相関を確認したところ,咀嚼スコアーと最大咬合力・接触面積・接触点数および咬断片表面積増加量との間で正の相関が確認され,さらに表面積増加量と咬合接触面積・接触点数との間にも相関関係が確認された. 今後は,被験者を増やし,より一層の顎義歯における咀嚼能力に関する現状把握をするとともに,顎義歯機能評価の統合的指標に必須のパラメータ構築を行いたい.
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