Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
高度浸潤型扁平上皮癌細胞は,その形態が繊維芽細胞様形態を呈し,上皮・問葉移行(EMT)を獲得していることを報告してきた。これらの細胞では細胞間接着因子E-cadherinの発現が低下し,基質分解酵素MMP-2が高発現を示し,またE-cadherinの転写を抑制する転写因子Snailが高い発現を示す。さらに,Snailの遺伝子導入により扁平上皮癌細胞においてEMTが誘導される。 形態形成遺伝子の1つであるWntは,細胞の増殖や分化を制御しており,そのシグナルが癌の浸潤に関与する可能性が報告されている。申請者らは,高度浸潤型扁平上皮癌細胞ではWnt-5aの発現が上昇することを見いだし,その機能を解析する上で,ヒトWnt-5a発現ベクターを作製し,これを導入したA431細胞を樹立した。この細胞ではEMTの誘導を認めず,そのシグナル伝達を担うprotein kinase Cおよびcalmodulin-dipendent protein kinase IIの活性化の上昇を認めた。また再構成三次元培養法を用いて,浸潤様式の検討を行ったところ,コントロールのA431細胞に比較し,細胞間接着を保ったまま索状に連なる強い浸潤像を示した。そこで,Wnt-5aを強制発現させた細胞で,54676個のヒト遺伝子を載せたGeneChip[O!R])を用いて,網羅的な遺伝子発現解析を行った。その結果,基質分解酵素MMP群,Wnt群,Keratinなどの細胞骨格群,ケモカインやサイトカイン群を見いだし,Wnt-5aの標的遺伝子を同定した。これらの遺伝子群はWnt-5aにりる高度悪性化機構のターゲットとなる可能性が示唆された。
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