Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
口蓋裂患者では、良好な鼻咽腔閉鎖機能の獲得のため、幼少期に粘膜骨膜剥離による push back法を用いた口蓋形成手術が行われている。しかし、術後に生じる療痕組織は、多量のコラーゲン線維で構成され、骨面と密に結合する。その結果、上顎骨や歯列歯槽部の成長に抑制的な影響を与えることが知られている。我々は動物モデル実験において、bFGF投与がcollagen remodelingに与える効果についてコラーゲンタイプI抗体を用いて蛍光免疫組織観察を行った。また、コラーゲン線維の立体的構造を観察するため、アルカリ・水浸軟法にてコラーゲン線維以外の細胞成分を除去し、その後通法に従い脱水、乾燥および白金蒸着を行い、走査電顕にて検索した。その結果以下の知見を得た。(1)蛍光免疫組織観察;bFGF投与群では、療痕形成群と比較して粘膜下組織中にコラーゲンタイプIの免疫反応が弱かった。(2)走査電顕観察;bFGF投与群では、療痕形成群と比較して粘膜下組織中のコラーゲン線維の分布は疎であった。bFGF投与群では、療痕形成群と比較して口蓋骨表面に嵌入しているコラーゲン線維が少なかった。このことから、ラットロ蓋部の創傷治癒過程におけるbFGF投与が、コラーゲン線維の成熟と骨への嵌入を抑制し、結果的に療痕組織の生成を抑えるものと考えられた。したがって、bFGF投与により口蓋形成手術後の成長抑制を緩和することが期待される。
All 2008 2007
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)
Acta Odontologica Scandinavica 66
Pages: 31-37
The Cleft Palate-Craniofacial Journal 45
Pages: 63-72
Cleft Palate Claniofacial Journal