Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
昨年度,歯肉線維芽細胞(GF)におけるHLAクラスII分子(HLA-II)を介した細胞内シグナル伝達物質として,focal adhesion kinase(FAK)の活性化を確認した。そこで本年度は,1)FAKとHLA-IIとの会合形態,2)サイトカイン産生に至るシグナル伝達へのFAKの影響を検討した。 健常人の辺縁歯肉から分離・培養したGFを用い,ヒトIFN-γによって細胞膜上にHLA-IIを発現誘導させた。 1)抗HLA-II抗体(L243)が認識するHLA-IIと会合分子複合体を免疫沈降することによって会合分子を得た。IFN-γ処理と未処理のGFから免疫沈降法によって得た画分をSDS-PAGEで分離した後にWestern blotting法でFAKを検出した。同様に,L243にて免疫沈降した画分からFAKおよびリン酸化FAKを検出した。その結果,FAKは共沈降する分子として検出され,またL243でGFを刺激した際に細胞内FAKのリン酸化が増強した。 2)L243刺激したGFにおけるFAKのリン酸化がFAK阻害剤(luteolin,quercetin)によって影響を受けるかどうかを,Western blotting法で調べた。luteolinはFAKのリン酸化を抑制したが,quercetinは影響を与えなかった。さらに,培養上清中のサイトカインの量をELISA法で測定すると,luteolinは,L243刺激によって誘導されるGFからのIL-6,MCP-およびRANTESの産生を濃度依存的に抑制した。 一般にFAKは,インテグリン(接着分子)の細胞内,ドメインと会合しインテグリンを介してシグナル伝達することが知られている。本研究では,FAKがHLA-IIと直接会合してHLA-IIを介したサイトカイン産生に至るシグナル伝達に関与することが新たに示唆された。
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