量子ネットワーク符号と計算量理論への応用に関する研究
Project/Area Number |
18800038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fundamental theory of informatics
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西村 治道 大阪府立大, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (70433323)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,350,000 (Direct Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,350,000 (Direct Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | ネットワーク符号 / 量子計算量理論 / 量子通信 |
Research Abstract |
本研究では,ネットワーク符号の概念の量子通信および量子計算への適用可能性が研究され、具体的には以下の課題が取り扱われ,以下の研究成果が得られた. 1.古典情報の通信に量子通信路を用いるネットワーク符号の可能性 古典情報を送るタスクの1つとして,情報全てを送る代わりに(データベースへのアクセスのように)受信者が必要な情報のみを得ることができることを要求するタスクがある.このようなタスクは,成功率がある程度の割合であることが保証されるという条件の下では,ランダムアクセス符号と呼ばれる符号によって数学的に表現される.ランダムアクセス符号は,古典通信より量子通信を用いる方がより効率的にタスクを実現可能な場合があることが以前に知られていた.本研究では,この量子通信を用いたランダムアクセス符号(量子ランダムアクセス符号)をバタフライネットワークと呼ばれる代表的なネットワーク上で実現する方法を考案した. 2.量子情報の通信に量子通信路を用いるネットワーク符号の可能性 量子情報の効率的な送信は,量子情報の連続性などの理由により,古典情報の送信に比べて多くの困難があるが,そのことはネットワーク符号においても同様である.本研究では,バタフライネットワーク上での量子情報の送信を,古典のネットワーク符号のように忠実かつ効率的に行うことは不可能であることを明らかにした.その一方で,送信される量子情報に歪みを認めるという近似的な送信なら,ネットワーク符号の理論と量子情報理論を組み合わせることにより,効率的に行えることを明らかにした.さらに本研究では,そのような量子情報のネットワーク上での効率的な送信をより一般的なネットワークに拡張することを試み,ある種の性質をもつネットワークに対しては,効率的な送信が可能であることを証明した. 3.課題1の量子計算量理論への応用 本研究では,課題1で得られた量子ランダムアクセス符号における数学的知見をさらに探求することにより,量子ランダムアクセス符号の可能性と限界を数学的に完全に特徴付けることに成功した.さらに,その数学的特徴付けの技法を関数の量子通信計算量の研究に応用した.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Quantum network coding2007
Author(s)
Masahito Hayashi, Kazuo Iwama, Harumichi Nishimura, Rudy Raymond, Shigeru Yamashita
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Journal Title
Proceedings of 24th Annual Symposium on theoretical Aspects of Computer Science (STACS2007), Lecture Notes in Computer Science 4393
Pages: 610-621
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