日本人における食品摂取パターンの評価手法に関する栄養疫学的研究
Project/Area Number |
18800049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Eating habits, studies on eating habits
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
大久保 公美 Kagawa Nutrition University, 栄養学部, 助教 (80407577)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,660,000 (Direct Cost: ¥1,660,000)
Fiscal Year 2007: ¥740,000 (Direct Cost: ¥740,000)
Fiscal Year 2006: ¥920,000 (Direct Cost: ¥920,000)
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Keywords | 栄養学 / 食品摂取パターン / 評価手法 / 因子分析 / 妥当性研究 |
Research Abstract |
従来の栄養疫学研究における"単一"栄養素ならびに食品レベルでの評価手法に加え、日本人における習慣的な食品の摂取傾向を総合的にとらえるために、食品摂取パターンに着目した評価手法を確立した。本研究の最終年度は、介入研究ならびに栄養教育の場で食品摂取パターンによる評価手法の利用可能性を検討するために、観察疫学研究の概存データを活用し、健康状態との関連について検討した。 平成18年4月に全国53施設の栄養関連学科新入生(18-20歳女性3,770人)を対象に収集した自記式食事歴法質問票による食物摂取状況ならびに生活習慣に関する既存データベースを活用した。この集団の食物摂取状況から、4つの食品摂取パターン(健康型、欧米型、昔の日本型、コーヒー・乳製品型)が抽出された。各食品摂取パターンの因子スコアから対象者を5分位に分類し、(1)肥満、(2)機能性便秘との関連について検討した。 (1)肥満との関連:野菜、魚介類、果物が豊富な"健康型"食品摂取パターンの傾向が強いほど、肥満(BMI≧25kg/m^2)のリスクが有意に低い傾向が認められた(最低群に対する最高群のオッズ比(OR)=0.57、95%信頼区間(CI):0.37-0.87、傾向性のP値く0.05)。一方、めし、みそ汁、大豆製品が多い"昔の目本型"および肉・肉加工品、油脂類、卵の多い"欧米型"パターンの傾向が強いほど肥満リスクが有意に高い傾向が認められた(OR:1.77;95%CI:1.17-2.67;P<0.001、OR:1.56;95%CI:1.01-2.40;P=0.04)。 (2)機能性便秘との関連:機能性便秘の判定にはRomeI基準を用いた。"昔の日本型"パターンの傾向が強いほど、機能性便秘の罹患率が有意に低い傾向が認められた(0R=0.52、95%CI:0.41-0.66、P<0.0001)。一方、他の食品摂取パターンと関連は認められなかった。 本年度の研究により、食品摂取パターンと健康状態との関連が明らかとなり、栄養素、食品、食品摂取パターンレベルでの食物摂取状況の階層的評価が可能となり、栄養教育での評価や支援方法への応用可能性が示唆された。なお食品摂取パターンは、対象や地域によって異なることが示唆されているため、今後、他のさまざまな集団を対象に更なる検討が必要であると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)