Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,350,000 (Direct Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,350,000 (Direct Cost: ¥1,350,000)
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Research Abstract |
昨年度の研究成果を基盤とし,計算機代数分野のテクニック,特に解析的因数分解アルゴリズムを高度な代数構造を用いた暗号系に利用することを目指し,純粋数学・計算機代数・暗号分野の融合的研究を行った.特に,(超)曲面の既約成分への分解との関連から,多変数代数曲面,代数曲線を利用した暗号について調査・研究を行い,なかでも,代数曲面を公開鍵,代数曲面上の代数曲線を秘密鍵とする秋山-後藤代数曲面公開鍵暗号に着目し,公開鍵と暗号文から平文を求める攻撃手法を次の経緯でいくつか提案した.まず,2007年1月に,公開鍵がある条件を満たすときのみに有効な,体Fp上の多項式環での内山-徳永の簡約を利用した攻撃手法が提案されたが,鍵生成でその条件を満たさない公開鍵を生成すれば,代数曲面公開鍵暗号はまだなお安全に使用可能であるため,研究代表者は,2007年7月に,内山-徳永の手法を有理関数体上の多項式環に拡張することにより,すべての場合に適用可能な攻撃手法を提案した,さらに,2007年10月に,グレブナー基底のテクニックを用いて新たなパラメータを導入することにより,すべての場合に適用可能な,体Fp上の多項式環での攻撃手法を提案した,これらの手法では,多項式環での因数分解が必要である,そして,2007年11月に,脆弱性のない代数曲面公開鍵暗号の提案が必要であるが,そりためには大きな発想の転換が必要であることを,代数曲面の零点を用いた攻撃手法を提案することで説明した,この手法で代数曲面の零点の計算に利用されている級数根は,一般ヘンゼル構成・拡張ヘンゼル構成・多変数展開基底等,解析的因数分解で必要な手法を利用すると必ず計算可能である. 今後は,多変数公開鍵暗号やHFEに目を向ける等,広い視野に立っことで発想の転換をはかり,さらなる純粋数学・計算機代数・暗号分野の融合的研究を目指すことが必要とされている.
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