Project/Area Number |
18800083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Perception information processing/Intelligent robotics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
笹原 和俊 The Institute of Physical and Chemical Research, 生物言語研究チーム, 研究員 (60415172)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 相互分節化仮説 / 言語進化 / エージェントモデル / 音声学習 / リカレントネット / シミュレーション |
Research Abstract |
前年度に引き続き、岡ノ谷とBjornらによって提唱されている言語進化の仮説、「音列と文脈の相互分節化仮説」を検証するために、構成論的な立場からモデル研究を行った。前年度に作った相互分節化仮説モデルのプロトタイプは、リカレントネットワークで実装されたエージェントたちが、予測に基づいて談話をするモデルだった。エージェント数を10として、談話の計算機実験を行った結果、談話と学習を繰り返すうちに、ランダムな初期状態からエージェントごとに特徴的な発話パターンが出現する現象が観察された。一方、この予測学習の枠組みだけではエージェントたちの談話が複雑化しないことも明らかになった。 そこで今年度は、このモデルに生物進化を取り入れて拡張を行った。具体的には、ランダムなネットワークを持つエージェント集団(エージェント数は20)で談話を行い、互いの発話の中で共有する発話パターンが多いものほど良いという適応度を定義し、適応度の高いものほど次の世代に子孫を残す設定で遺伝的アルゴリズムを導入した。リカレントネットワークの重みに点変異を施して遺伝的辺捜査を行った。この設定で計算機実験を行った結果、まず前のモデルと同様の結果を再現した。つまり、互いの談話を予測し合うという基本能力のみに基づいて、エージェント間で共有される発話パターンが自己組織化することが示された。そして、エージェント間で高頻度に共有される発話パターンが、次の世代また次の世代と文化伝達される現象が新たに観察された。エージェント間で共有される発話集合の統計的性質を調べたところ、発話パターンの頻度と順位にべき的な相関が見られた。これも前のモデルの結果を再現している。したがって、拡張された進化を含めた談話モデルは、学習のみ談話モデルの上位互換になっている。以上の成果を、日本物理学会、日本進化学会、国際学会ACAL2007で発表し、LNAIの論文にまとめた。今後、エージェントの行動文脈をどのようにモデルに取り入れるのかが課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)