琵琶湖へ流入する融雪深層密度流の定量的な把握に関する研究
Project/Area Number |
18810025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
長谷川 直子 The University of Shiga Prefecture, 環境科学部, 助教 (60433231)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,760,000 (Direct Cost: ¥2,760,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,380,000 (Direct Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,380,000 (Direct Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 海洋物理・陸水学 / 水圏現象 / 自然現象観測・予測 / 密度流 / 溶存酸素濃度 / 融雪 |
Research Abstract |
本研究では、琵琶湖北部の多雪地域にあり、琵琶湖へ流入する主要な流入河川である姉川からもたらされる融雪起源の冷たい密度流が、琵琶湖の深層環境に与える影響を把握することを目的としている。 平成18年度は今までにない暖冬で、姉川流域の積雪量も少なく、その結果観測による融雪起源密度流を捉えられるのはごくまれであった。また、船による観測では単発的な状況しか捉えられないため、平成19年度は係留系による観測を中心に長期間の継続データを取った。 平成18年度の船上観測により、ある程度姉川流入水の流入方向(姉川河口から南西方向)が確認できた。そこで平成19年度は、湖上観測によって流入水と見られる水塊が見られた方向から延長線上の水深45mに、電磁流速計(湖底直上および湖底上10m)と自記水温計(鉛直方向に5深度)を係留し、その延長線上55m深、さらに湖岸と並行になる45m等深度線上4地点、の計6地点に係留した。自記水温計は各地点とも、湖底からの高さ1,2,4,8,16mに設置した。これらは2007/11/15から2008/4/18まで設置し、電磁流速計は途中データ回収も行なった。 その結果、姉川の水温は、12月から2月末までの間ほとんど、湖水温よりも低く、3月後半には湖水温よりも高くなることが多くなっていた。また、湖内の水温は循環期に向かって、内部波の存在を思わせる水温の大きな振幅が表層から深層へと時間とともに遷移していた。循環期を迎えて鉛直方向に等温となって以降は密度流と思われる水温の持続的な低下が度々見られた。この期間中、比較的規模の大きかった密度流は2/14から2/19に117時間連続で起こっていた。この密度流は横幅1.3kmにわたり湖底から8mの高さまでの規模を持っていた。このときの密度流中心付近の流速は0.029m/sであり、この流速を保ったまま同じ規模で117時間密度流が継続したと仮定すると、その密度流のフラックスは126780000m^3に達すると試算された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)