Budget Amount *help |
¥1,080,000 (Direct Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2007: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2006: ¥680,000 (Direct Cost: ¥680,000)
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Research Abstract |
近年各地で多発する大規模な自然災害に見舞われた被災者の長期的な生活復興のメカニズムを解明することが本研究の目的である. 研究2年目である平成19年度には,量的な分析モデルの枠組みを構築するための基礎となる文献のレビューを補足し,災害によって強いストレスがかかった社会が,再構築される過程を「復興=社会変動」と捉え,T.PersonsのAGILの理論枠組みを汎用し整理を行った. 社会学領域,学際領域にわたり,災害復興に関する論文の収集と分析を試み,T.PersonsのAGIL理論を元に,文献レビューによる災害復興過程の構築を試みたところ,AGILのA:適応機能(Adaptation)には,災害についての被害推定に関連するものが該当し,G:目標達成(Goal attainment)には,国家(行政)・外部組織(NPOなど)よる,被災者の生活再建に向けた住宅の安定供給などの研究がこの類型に当てはまった.I:統合(Integration)には,コミュニティ内の合意形成や被災者個人の生活復興についての研究が,L:潜的パターンの維持(Latent pattern maintenance and tension)は,具体的には被災経験の意味づけに関連した震災モニュメントについてなど被災社会の文化的機能についての研究が該当していた.さらに、災害復興研究の方法論的側面としては次の3つの課題(研究の不足)が明らかになった.(1)質的・量的な研究手法を同時に実施した研究,(2)AGILに分類されたような復興の機能を同時に,かつ多面的に捉えた研究,(3)同一の被災者を数量的,かつ縦断的に追随した研究,以上3つの方法論的な課題が浮かび上がった.
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